ハーフとオリーブの遺伝子について
高校生の頃、同級生にブラジルからの留学生がいました。
エジルソン君という日系二世のハーフで私たちより二つ年上でした。
高校生というのはとても残酷で、若干20歳のエジルソンはみんなから「ジジイ」などと呼ばれてました。
そんな彼ですが英語とポルトガル語を流暢に話し、片言ながらも日本語もなかなか上手でした。
サッカーもかなりの腕前で、体育の授業などではエジルソン君ひとりにごぼう抜き状態でした。
そして何より片言の日本語で話す会話にはとてもユーモアがあり、みんなの前でのスピーチでは爆笑に次ぐ爆笑というものでした。
ジジイなどとみんなからイジられてた彼ですが、当時の私などは「やっぱハーフは違うなぁ…」などと尊敬してたのを今でも覚えてます。
話は変わって今年の夏はパリ五輪でした。
私自身、小学校から柔道を習ってたということもあり、柔道競技は毎晩テレビに噛り付いて応援してました。
東京五輪に続いてウルフアロンという100㎏級日本代表の選手がいます。残念ながらメダル獲得には至りませんでしたが、横文字の選手が柔道日本代表に選ばれるなんて、五輪の金メダルよりもよほど凄いことだと思います。
柔道競技に限らず、近頃のハーフ選手の活躍には目を見張るものがあります。
バスケットの八村選手やテニスの大阪選手、陸上のサニーブラウン選手、サッカー代表の多数の選手等など、あげれば枚挙にいとまがありません。
なぜ、ハーフというのはこんなにも優れてるのでしょうか?
ハーフとはそんなにすごいものなのでしょうか?
結果から申し上げると、ハーフの遺伝子はすごいのだそうです。
イギリスの科学雑誌ネイチャー誌によると、ハーフの遺伝子はスポーツに限らず優秀なのだそうです。
詳しいことは割愛します(というかよく分かりません…)が、近親の遺伝子より、より多くのバックグラウンドを持つ遺伝子の方が優秀な遺伝を伝えやすく、
それにより身長・肺機能・認知力・学業という分野において顕著な差が生じ、優秀な遺伝子を受け継ぐ可能性が高いということです。
これと同じことは植物の世界にもあります。
オリーブは一本では実がならない、というお話を聞いたことがあると思います。
※正確には一本でも実がなる品種はありますが、種類は少なく実の収穫量は少ないです。
2本あればいいのかといえば、そうではなく、同じオリーブでも違う品種から受粉する必要があって、これを他家受粉といいます。
なぜ、他家受粉が必要なのかというと、それは先ほどご紹介したハーフの遺伝子と同じで、より多くのバックグラウンドを持つ遺伝子の方が優秀なDNAを伝えやすいからなのです。
最近よく耳にする「多様性」が植物の世界でもやはり大切、ということです。
多様性をもった遺伝子は寒さや暑さに強い対候性を持ち、また、美味しい実を付けることで鳥に食べてもらい、その種を遠くに運んでもらい違う環境で子孫を繁栄させるということなんです。
なんという生命力でしょう。
こう考えると、オリーブも人間も同じで、ハーフの男前が女性にモテるというのは大いに納得できます。